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LOOM

TM & (C) LucasArts Entertainmaent Company

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概要

Lucasのグラフィックアドベンチャー第4弾。 2000年頃までは、英語版をIBM-PC版が「LucasArts Classic Adventures」の 一本として入手可能だった。 また、Mac版が単品で発売されていた。 2009年現在では、Windows XP, Vistaで動作するバージョンがSteamにてダウンロード販売されている。 日本語版は、FM-TOWNS版およびPC-Engine版が発売されている。 なお、FM-TOWNS版にはこのゲームのバックストーリーが描かれたCD「オーディオドラマ」が付いてくる。


ストーリー

少年の名はボビン・スレッドベア、17歳のこの年になるまで織物師ギルドの本拠地、ルーム島で育った。 織物師たちは「運命」を布を織り込み、また糸巻き棒を鳴らすことで、「まじない」をつかえる。 そしてその力を恐れた他のギルドにより織物師たちは迫害されていた。 ために、彼らは自ら僻地のルーム島に移り住んでいったのである。

ある日、ボビンは自分が「呪われた子」であることを知る。 当時、織物師ギルドでは近親婚が続いたため死産が相次いでいた。 そして、死産の子を「禁断のパターン」によって蘇らせたのがボビンだったのだ。 彼の母シグナはその罰を受け、白鳥に姿を変えられ何処へと去っていった.... それ以降、乳母ヘッチェルが彼の世話をしていたのである。

その日、ボビンは自分の運命を知り、そして旅立っていく.... 自分が世界の運命の鍵を握っているとも知らずに....


レビュー

もし、「ルーム」がなかったら.... ひょっとしたらアメリカでは「アドベンチャー」というジャンルは消滅していたかも知れない。 当時、アドベンチャーゲームは「作者との知恵比べ」的なところがあって、マニアだけが楽しめるような難解なものになっていた。 そこへ登場したのが、平易な謎解きと軽快なシナリオ展開を売りにした「ルーム」だった(ちょうど日本のRPGにおける「ドラクエ」や「イース」のように)。 この「ルーム」のヒットがなかったら名作「モンキーアイランド」はなかったかもしれない。

とにかく、「ルーム」のシナリオは難解なところは一切ない。 (今までやったルーカスのゲームの中では一番簡単だった) そして、その軽快な展開はディズニーの良質のアニメを彷彿とさせる。

システムはそれまでの(そして、それ以降の)ゲームとは異なり、(移動と会話以外の)全てのコマンドが「まじない」によって行われる。 このまじないはメロディーとして表現され、「対象をクリックし、そして糸巻き棒の特定の場所をクリックしてメロディーを奏でること」によって唱えられる。 たとえば「開ける」のまじないならば『ミ−ド−ミ−レ』といったように。

このまじないのシステムがなかなか面白い。 たとえば「開ける」のまじないが『ミ−ド−ミ−レ』だから「閉じる」のまじないは『レ−ミ−ド−ミ』になる、いうように応用が利くのだ。

勿論システムの面白さだけではなく、シナリオも秀逸である。 シンプルで深みこそ無いものの、それだけに分かりやすく、素直にストーリーに没頭できる。 ラストの急速なシナリオ展開は本当にハラハラとさせられた。

もう一つ、このゲームのBGMは全てチャイコフスキー。 「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」などの名曲ぞろいで、またこのBGMがゲームの雰囲気にぴったりなのです。 とくにFM-TOWNS版はBGMがCDオーディオであることに加えて、英語版と日本語版で別々のBGMが流れるというサービスぶり。 (まず無いだろうけど)万が一店頭で見かけたら即刻買うべし。 (Mac版はマイクロマウス[archive]の通販で買えるみたいですね(1998/12現在))


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Note

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