広島新球場が急転

防衛庁の談合に絡み、三月十九日に予定されていた選考会に参加する予定だった四企業体のうち三企業体が失格、残る一社も参加するゼネコンを変える必要あり、とのこと。ネタ元は中国新聞[archive]

こりゃ、最悪また白紙化かねぇ。

さて、平野博昭広島市議のコラムが更新されていたので、それについても触れておく。

まず、三月十四日更新分[archive]について。正直な所、述べられている事例については、それが事実であるかどうか検証できないものばかりであり、何とも言いようがない。事実誤認であるならば論外であるし、非公開の資料について言及しているのであれば機密漏洩の可能性もある。いずれにせよ、市議、それも議長経験者としては軽率に過ぎるように思える。この情報を公開しても問題ないのであれば、市が配布した資料を公開すべきだと思うのだが。とりあえず引用しておく。

貨物ヤード跡地を取得し球場建設計画を作成する時、一番初めに計画したのが鉄道の引き込みであり、当時から計画のあったキリンビール跡地の商業モール「ソレイユ」との共同施行、共同利用の計画があったはずです。

その後、平成14年にエンティアム案が浮上した時、新球場建設計画におけるインフラ整備はエンティアムの母体であるサイモン・プロパティー・グループの指示で、米国流の発想による段原からの高規格道路の整備でした。この道路に南道路からも国道2号からも流入させるという計画であり、サイモンの要求であったはずです。

このエンティアム案は、貨物ヤード跡地全体の1階部分が駐車場で、2階部分には人工地盤をつくりその上に商業モールを建設し、モールの一部がホテルと野球場になっていました。

JR新駅はかなり前の話だと思われる。少なくとも2001年の段階では既に天神川駅の新設が決まっていたわけで、もう一つ駅を作るのは困難、というのが2001年以降の流れだったかと。

段原からの高規格道路、というのはかなり眉唾もの。高規格道路って自動車専用道路でしょ。たかだか2800位しか駐車場のない球場で、こんな短い高規格道路を作るメリットって無いような気がするんだけど。サイモンがそこまで指示するかね。たまたま同時期にそういう道路の計画があって、それにサイモンが興味を示した、位のネタが拡大解釈されたんじゃない? 実際、エンティアムにきまった後、しばらくもめてたのは駐車場の建設費の支援に関する部分で、道路の話なんかでてなかったと記憶しているのだが。

あと、エンティアム案の構造に付いて。人工地盤の上に大がかりな建物は建てられない、という細かいツッコミはさておき、人工地盤に付いて明確に言及しているのって三菱重工の開閉式屋根球場では? 前回書いたように、少なくとも公開された情報の中には、エンティアム案にホテルが含まれていることを示す明確なソースも無かったし、人工地盤を使うかどうかも記載されていない。エンティアム案のイメージを見ても何とも言えない。(この図面の解像度では判断できかねる)

さて、平野市議は、これらの事情を踏まえて、交通インフラを同時に進行させない市の姿勢を批判しているわけだが、そもそも以前より新球場へのアクセスが徒歩を主体としたものである、というのは明言されており(議会会議録をざっと読んでみた限りでは2003年の時点でそのような方針が市より説明されていた)、歩道の整備こそ(あと考えられるのはバス停の設置くらいか)必要な交通インフラでは無いかと。

続いて、三月十五日[archive]のコラム。一言で言えば、市民球場改築の再提案なのだが。

まず第1に、建前はどうあれ新球場計画は駅前再開発の一環であり、それ故に市はヤード跡地に固執している、という点を考慮すべきだろう。そして、ヤード跡地に決まると共に、今まで殆ど進展の無かった駅前B、Cブロックが一気に進展した、という効果も評価すべきだろう。

これも以前書いたが、市の立場とすれば、現在地案に市税を投入するメリットが存在しない。従って、現市民球場を改装(この場合、グランドの広さを拡張する必要があるのは言うまでもなく、内野2階席の大幅拡張など、多額の建設費がかかる大工事となるだろう)するならば、事前に回収困難な金額を算出した上で、税金投入(あるいは目的税の新設)の是非に付いて住民投票を行うべきだろう。

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