Personal tools
You are here: Home KtJ's Blog 【専スタ@広島】Desso Grassmasterは福音足り得るか
« August 2019 »
Su Mo Tu We Th Fr Sa
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
 

【専スタ@広島】Desso Grassmasterは福音足り得るか

by ktj posted at 2012-11-16 20:19 last modified 2015-05-02 21:17

TwitterでDesso社のGrassmaster(或いはDD Grassmaster)のネタが出てたので調べてみた。

またろ @mataroviola at 2012/11/13 10:11:57(JST)

人工芝か天然芝かの議論ではなく、天然芝で如何に寿命と耐久性を高めるかに世界の技術はシフトしています。新しいウェンブリーにも採用されたというデッソ社のグラスマスターもその一つ。芝の使用可能時間が3倍に伸びるといいます。

またろ @mataroviola at 2012/11/13 10:16:22(JST)

これを試合時間とその前のアップの時間で4時間程度と考えると年間稼働可能日数が50~75日と出てきます。これが天然芝が稼働率低いと言われる所以です。グラスマスターはそれを850~900時間にのばせる、5時間使用でも年間170~180日使用できるようになるということです。

またろ @mataroviola at 2012/11/13 10:21:43(JST)

唯一懸念点としては、この芝の実績が高緯度地域が多く、アジアモンスーン地域のような高温多湿の芝環境でどうかというところ、特に暑熱対策と通風、給水について検証が必要かと思います。通風についてはイングランドスタイルよりスタンドを持ち上げピッチレベルに通風開口を設けるなどですね。

Grassmasterというのは、よく「人工芝と天然芝のハイブリット」とされるが、より具体的には、「人工芝と同じ材料の合成繊維を2cm間隔で深さ20cmまで打ち込み、これに天然芝の根を絡ませる」という技術である。つまり、天然芝の「抜け」対策の為の技術ということになる。これは、特に地下茎やほふく茎(ランナー)を持たず、抜けが発生しやすいライグラス(サッカー場に使用される代表的な冬芝)にとって有用な技術であるといえる(特に、芝面に負荷がかかるラグビー場にとって)。

さて、まず気になるのが「Grassmasterは広島のスタジアムに適用可能か」という点だろう。Jリーグは3月から11月までの「真夏を含む」長期間に渡って開催される。そのため、シーズン中の寒暖差が激しく、南関東以南ではウインターオーバーシーディングを使用しなければシーズン全般に渡って芝面を維持できない。ウインターオーバーシーディングとは、夏芝(通常はバミューダグラス系のティフトン)をベースとして、毎年秋に冬芝(通常はペレニアルライグラス)の播種を行って冬から春にかけての芝面を維持する、という技術だ。そもそもの問題は、今までのGrassmasterの実績がライグラス(ヨーロッパ)かブルーグラス(北米)で、バミューダグラスの実績が(メジャーどころのスタジアムでは)無い、ということ。また、芝面を補修する場合、(種を播いて二週間ほどで使えるようになる)ライグラスと違い、バミューダグラス系は張り芝を使う訳だが、「繊維を打ち込む」というGrassmasterの特性上適用できないように思われる。やるとすれば一旦合成繊維を引き抜いて芝を張り直し、新たに繊維を打ち込むという手を使う必要があるが、その度に専用の機械を持ち込まなきゃいけない。あと、オーバーシーディングって毎年種を播いて(当然その後に土をかけて)を繰り返すから年々効果が低下するように思われる。

次、Grassmasterを使うと芝が抜けにくくなる、ということは、芝を抜こうとする力が芝の別の所にかかる、ということを意味するのではないだろうか。つまり、芝が削られやすくなるような気がする。実際、今年の1月にGrassmasterを採用しているデンバーのスポーツオーソリティーフィールドでのアメフトの試合(NFLのプレーオフ)をテレビで見たが、芝面は相当荒れていた(元々抜けにくいブルーグラスをベースにしているから、というせいもあるだろうが)。尤も、同じくGrassmasterを採用したグリーンベイのランボーフィールドは特に荒れていなかった。前者がラクロスでも使用するのに対し、後者はNFL専用というのが大きいのだろうか。

ちなみにグリーンベイに関してはこんな記事もある。Grassmasterを採用したこともさることながら、利用を控えるなど丁寧に管理したことが大きい、と。そうすると、Grassmasterを採用してもプロアマ混合で200日近くゴリゴリ使えるかどうかちと不透明、ということになりはしないだろうか。また、同記事にあるピッツバーグの例も気になるところ。芝面が滑りやすくなり、選手から不評だらけだったようだ(「最悪の天然芝フィールド」との評価を得たシーズンも)。ちなみにピッツバーグはGrassmasterから普通の天然芝に戻している。

ということで、あくまでも調べてみた限りでの感触だが、Grassmasterは原則冬芝専用技術であり、また、特に「丁寧に管理しても芝が荒れてしまう」ような環境で有効な技術、という感じ。少なくとも現時点ではまだ、広島で稼働率の高いスタジアムを実現する技術としては弱いように思える。

実際問題として、都心にスタジアムを作ることが前提になっているからスタジアムの稼働率をあげる必要が出てくるわけで、郊外にスタジアムを置くなら(クラブがちゃんと使用料を払ってくれれば)年3~40日の利用でも問題ないと思うんだ。だから、前書いたけど稼働率が必要な都心は5000人級の人工芝スタにして、(もちろん交通の便がいい)郊外にJ&代表仕様のスタジアムを作る、てのも一つの手じゃないかと。

(11/17追記) グアムのサッカー場のピッチもDessoが手がけているが、採用されたのはGrassmasterではなく人工芝


Powered by Plone CMS, the Open Source Content Management System

This site conforms to the following standards: