イングランドのスタジアム移転とリコーアリーナ問題

イングランドサッカーリーグ(プレミア及びチャンピオンシップ、2013-14シーズン)の90年代以降のスタジアム移転をまとめてみた。しかし(高層ビル群という分かりやすい中心のあるアメリカと違って)ヨーロッパは都心がどこなのか分かり辛い。

CITY

BEFORE

AFTER

YEAR

TYPE

Stoke-on-Trent

Victoria Ground

Britannia Stadium

1997

郊外住宅地からさらに遠い郊外/▲

Cardiff

Cardiff Athletics Stadium

Cardiff City Stadium

2009

ほぼ同じ場所(近郊住宅地/工業エリア)/─

Manchester(C)

Maine Road

Etihad Stadium

2002

ともに近郊住宅地/─

Wigan

Springfield Park

DW Stadium

1999

近郊住宅地から近郊SCエリア/△

London(Arsenal)

Arsenal Stadium

Emirates Stadium

2006

ほぼ同じ場所(郊外住宅地)/─

Kingston upon Hull

Boothferry Park

KC Stadium

2002

近郊住宅地からより近い近郊/△

Leicester

Filbert Street

King Power Stadium

2002

ほぼ同じ場所(近郊住宅地)/─

Swansea

Vetch Field

Liberty Stadium

2005

近郊住宅地からやや郊外/▲

Reading

Elm Park

Madejski Stadium

1998

近郊住宅地からやや郊外/▲

Derby

Baseball Ground

iPro Stadium

1997

近郊住宅地から近郊SCエリア/─

Bolton

Burnden Park

Reebok Stadium

1997

近郊から郊外/●

Middlesbrough

Ayresome Park

Riverside Stadium

1995

近郊住宅地からより近い近郊/△

Sunderland

Roker Park

Stadium of Light

1997

近郊住宅地からより都心近接/○

Southampton

The Dell

St Mary's Stadium

2001

近郊住宅地から近郊港湾エリア/─

Brighton

Goldstone Ground

The AMEX

2011

郊外住宅地からさらに遠い郊外/●

Doncaster

Belle Vue

Keepmoat Stadium

2006

近郊住宅地から近郊SCエリア/─

Huddersfield

Leeds Road

John Smith's Stadium

1994

ほぼ同じ場所(近郊住宅地)/─

London(Millwall)

The Den

New Den

1993

ほぼ同じ場所(郊外住宅地)/─

Yeovil

Huish Athletic Ground

Huish Park

1990

都心近接から郊外/●

TYPEのうち、「○」は明らかに都心側に移転したといえるもの。△は都心側に移転したとはいえ、元の立地もさして都心から遠くないケース。郊外側に移転したケースには「●」または「▲」を割り当てている。また、移転前後で大差ないもの、隣接する土地に移転したものについては「─」とした。

なお、Cardiffに関してはナショナルスタジアム(開閉式屋根)であるMillenium Stadiumが都心エリアにあることを付記しておく。

都心近接に移転したのはSunderlandくらいか。

あと、複合スタジアムのRicoh Arena(Coventry)は?、と思って調べてみたらCoventryはLeague One(3部)なのか。しかも、英語版Wikipediaによれば今シーズンはCoventryは使用していない模様。何でもスタジアムの契約で揉めているとか。地元紙であるCoventry Telegraphの記事を読んでみるとしよう。

ええと、Coventryは元々プレミアリーグの立ち上げクラブの一つだったが、2001年に2部相当のチャンピオンシップに降格、さらに、2012年に3部相当のLeague Oneに降格して現在2年目。その間、Ricoh Arenaが2005年に完成し、クラブは2007年にヘッジファンドであるSISUに買収された、と。SISUはスタジアムの使用料が高額(年120万ポンド)であり、スタジアムの所有権を求めている。これに対してスタジアムの管理組織であるACLは使用料を40万ポンド、さらには15万ポンドと減額を提案しているが、SISUはあくまでもスタジアムの買収(1400万ポンド、ちなみに建設費は1億1300万ポンドである)を主張し、ついに本拠地を50キロ程離れたNothamptonのSixfields Stadiumに移転してしまった、と。これに対して、Coventry市側では、新スタジアムの建設等を検討しているとのこと。

Ricoh Arenaは、典型的な複合スタジアムだが、あまりうまくいっていない、ということだろうか。

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