跡地サッカースタジアムを今一度考える

これまで考えてたスタジアム案は、「青少年センターとPL教会、護国神社駐車場、商工会議所はそのまま」という縛りを入れていた。しかし、広島市による「旧市民球場跡地の活用方策」を見直すと、これら施設の移転についても言及されており、この縛りをある程度は回避できるのではないかと思った次第。

まずPL教会と護国神社駐車場。「旧市民球場跡地の活用方策」の5ページによると、広島城跡の南東にある中央バレーボール場は廃止を検討とのこと。ここと入れ替えてしまう、というのはどうだろうか。駐車場は護国神社がより近い位置となるし、PL教会も(交通の起点となる)紙屋町交差点からの道のりはあまり変わらない。合同庁舎に隣接する土地であり、現状に見劣りするものではないと思う。

また、青少年センターは開館から47年が経過しており、建て替えが妥当だろう。ただし、「指定管理者の業務実施状況(平成24年度)の概要・評価」(リンク切れ URL: http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1379072315208/activesqr/common/other/5232febb002.pdf)によれば青少年センターは平成23年度で24万人弱、平成24年度は27万7千人弱の利用者数を叩き出す優良施設であり、市民球場跡地エリア内での移転とすべきだろう。

こども図書館・こども文化科学館は、プラネタリウム投影機の老朽化という問題もあるが、建物自体はできて33年であるため、建て替えにはやや早いかもしれない。こちらも延べで年間60万人近い利用者のある施設なので市民球場跡地エリア内での移転が正解だろう。

跡地利用に関する私のコンセプトは基本的に変わらない。広島という、都市圏の中核をなすような(ベッドタウンではない)都市が今後発展する(或いは少なくとも衰退しない)為には、「専門性・嗜好性の高い多様なイベント(文化・教養・芸術含む。もちろんプロサッカー以外のスポーツイベントも)」を提供できるか、というのが鍵となるのではないだろうか。そのようなイベントのための施設は、都市圏全般から人を引っ張ってくる必要があるため、都心エリアに作るのが最適(というか、おそらく都心以外では成立しない)。また、このようなイベントは現在のサンフレッチェ以上に立地条件がcriticalとなる(サンフレッチェの試合の集客は仮にスタジアムが中央公園であっても十分可能だろうが、青少年センターや小規模イベントはそこでは成立しないだろう)。つまり、「多様性とスケーラリビティ(小規模から中~大規模のイベントのそれぞれに対して過不足無く対応できること)」というのが、これからの都心に求めれる(含サッカースタジアム)なんじゃないだろうか、と思うわけです。具体的には、

  • イベント広場等のサッカー場以外の施設は、可能な限りスタジアムよりも手前側に配置するべき

  • 広く集客を募る為の屋内施設は、低層(高くとも4階以下、できれば3階以下)に集約すべき

  • スタジアム自体は、サンフレッチェの試合に強くフォーカスしたいわゆる「サッカー専用スタジアム」ではなく、数千人規模の集客しか期待できないような試合でもコストをかけること無く開催可能な「球技場」が望ましい(無論J1基準をカバーした上で)

  • また、スタジアム内の施設(トイレなど)を広場イベント時等に効率よく提供できるよう動線を工夫する

といったところ。てことで、絵を書いてみた。

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地下構造物があるエリアに若干はみ出しがあるが、スタンドのオーバーハングでなんとかするということで(汗)。スタジアムを西側全体にシフトさせることができたため、北側スタンドを削らずにスコアボードを配置することが可能となった。

スタジアム自体は以前の提案と大体同じ。つまり、

  • 東側スタンドの下の空間はコンコースと共にイベント用として活用可能な屋内スペースとする。

  • 収容人数を確保するため、ゴール裏席は割り切って立ち見席のみとする

  • 高さ規制と芝の日照時間確保の為南側スタンド(ホームゴール裏)は屋根無しにする。

  • 大規模イベント時にコンコースと広場とのアクセス性を確保するため、サッカー用のゲートとは別に、南側の広場から回り道せず直接東側スタンドのコンコースに入れる導線を確保する。

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