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陸上競技場の国際規格と日本陸連の公認競技場の違い

by ktj posted at 2012-11-16 17:22 last modified 2016-03-16 07:04

専スタ@広島関係の記事を漠然と流し読みしてたところ、(どこでの話か覚えていないが)「ビッグアーチは国際規格を満たしていない」というものがあったので調べてみた次第。結構違ってて面白かった。なお、参考にしたのは国際陸連(IAAF)の「MANUALS - IAAF Track and Field Facilities Manual 2008 Edition」と、日本陸連の「第1種・第2種公認陸上競技場の基本仕様」細則。前者はIAAFのサイトから、後者は日本陸連のサイトからそれぞれダウンロード可能。しかし、IAAFのサイトは使い勝手が悪い。

なお、どっちの規則も流し読みレベルで精読してないので、いろいろと間違っているかもしれないのでその辺はご理解いただきたく。

1. 陸上競技場のクラス分け

IAAFの競技場、日本の公認競技場共に5ランクに分かれている(IAAFはカテゴリI~V、日本は公認第1種~第5種)。IAAFの場合はカテゴリI~IIIが、日本陸連の場合は第1種が国際競技会用ということなので、以下の説明ではこれら4つの競技場を比較することにする。

2. トラック

IAAFのカテゴリI~IIIのいずれも「少なくとも8レーンの周回及び直線路を備えた『標準400メートルトラック』」を要求している。この標準400メートルトラックとは、ただ400メートルあればいいわけではなく、カーブ部分の内周の曲率半径が36.5メートルのものを指す。一方日本陸連の1種競技場については、トラック数は8または9で、トラック全体の具体的な寸法については規定されていないようだ(ただし、原則として日本陸連の競技場はIAAFの内容を準用することとなっている)。

(2016/3/16追記)↑間違い。読み直したら「トラックのカーブの曲率半径は35~38メートルで36.5メートルが最適」だった。(追記終わり)

トラックの舗装については、IAAFでは「当然人工舗装だけど一応土と天然芝のトラックも残しておく」という方針のようだ(人工舗装じゃなきゃダメ、との記載は見出せなかった)。日本陸連は人工舗装必須。トラックの色はどっちも「基本赤(日本陸連は『レンガ色』)だけどマーキングがきちんと見分けられれば別に規定しないよ。でも原則一色ね」という感じ。

3. フィールド

IAAFでは特に規定は無い(トラックの中にサッカーのピッチ(105x68メートル)は十分入るよ、とは書いてある)。日本陸連の場合(多目的競技場)は、「原則106x69メートル、ただし全国47箇所までに限定して107x71メートルまで可」というよく分からない仕様。なお、JFAのクラスS(A代表仕様、40000人級)の多目的スタジアムのフィールド(芝面)の大きさは108x71メートル(一つ下のクラス1は107x71メートル)なので、JFAクラスSと1種競技場は両立出来ないということになる。

IAAFでは人工芝イカンとまでは書かれていない(「投擲競技には適していない」とは書かれている)。日本陸連の方は天然芝必須。

4. 跳躍競技のための設備

IAAFの仕様はこんなところ。

  • 走幅跳及び三段跳のための設備: 両側に着地点が用意されたものを、カテゴリI及びIIについては「同一方向を向いたものを近接配置した2組」、カテゴリIIIは1組
  • 走高跳のための設備: カテゴリI及びIIは2組、カテゴリIIIは一組
  • 棒高跳のための設備: 両側に着地点が用意されたものを、カテゴリI及びIIについては「同一方向を向いたものを近接配置した2組」、カテゴリIIIは1組

一方日本陸連の1種競技場はこう。

  • 走幅跳及び三段跳のための設備: メインスタンドまたはバックスタンド側に6箇所以上
  • 走高跳のための設備: 特に規定はないが、トラックの内側の半円部分に作ることが示唆されている
  • 棒高跳のための設備: トラックの内側の半円部分のいずれかに2ヶ所又は4ヶ所、バックスタンド側に2箇所又は4箇所、合計6箇所

日本陸連の1種競技場の方が設備が多い。なお、バックスタンド側の棒高跳の設備は走幅跳/三段跳の設備と共用のようだ。

5. 投擲競技のための設備

IAAFの仕様はこんなところ。

  • 円盤投及びハンマー投のためのサークル: 1箇所、好ましくは2箇所
  • 槍投のための設備: 2箇所(両エンドに1箇所ずつ)
  • 砲丸投のための設備: 2箇所。通常は片方のエンドにまとめて作る。落下エリアは通常芝部分

一方日本陸連の1種競技場はこう。

  • 円盤投及びハンマー投のためのサークル: 2箇所
  • 槍投のための設備: 数の規定は無い。(1箇所以上)
  • 砲丸投のための設備: 芝生に投擲するためのサークルを2箇所。それ以外に投擲エリアを作ることができる。

6. 補助競技場

IAAFではこうなっている。

  • カテゴリI: 400メートルの周回4レーン、直線6レーン以上のトラック。舗装は主競技場と類似のもの。砲丸投設備を2箇所。円盤投、ハンマー投、槍投のための投擲練習場を別途設けること。
  • カテゴリII: 好ましくは200メートルの周回4レーン、直線4レーン以上のトラック(人工舗装)。砲丸投設備を1箇所。円盤投、ハンマー投、槍投のための投擲練習場を別途設けること。
  • カテゴリIII: 200メートル(好ましくは400メートル)の周回4レーン、直線4レーン以上のトラック。砲丸投設備を1箇所。円盤投、ハンマー投、槍投のための投擲練習場(トラック内周可)を設けること。

一方日本陸連の1種競技場は「原則、400メートルの周回6レーン、直線8レーンのトラック。舗装は主競技場と同じもの。大規模大会では投擲練習場を設けること」とのことだ。

7. 観客席

IAAF仕様の競技場では観客席が必須である(サッカー同様、メインスタンドはフィールドの西側に配置すべきとの記載もある)。ただし、その収容数等や屋根の有無については特に規定は無いようだ(見落としているかも知れないが)。一方、日本陸連の1種競技場では、15000人以上、うちメインスタンドに少なくとも7000席を椅子席で確保し、メインスタンドに屋根をかけることが条件となっている。

8. 照明設備

IAAF仕様では、国際大会で500ルクス以上。日本陸連の1種公認競技場は1000ルクス以上、フィニッシュラインは1500ルクス以上となっている。ちなみにサッカーのクラスSスタジアム(既設・新設共)及びクラス1スタジアム(新設のみ)は全面1500ルクス以上が必須。

9. まとめ

調べてみたらIAAFのカテゴリIスタジアムよりも日本陸連の1種公認競技場の方が、(補助投擲場を除いて)概ね厳しかった。で、ビッグアーチはカテゴリIの基準を(調べてみた限りでは)満たしている。むしろ屋根の面積が狭いので1種公認競技場の方がアウトかもしれん。

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