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DOSゲームに適したハードウェアとは

CPU、メモリ、ハードディスク

CPUは486DX4-100MHz〜MMX Pentium-233MHzあたりが適当でしょう。速すぎても遅すぎても困ります。メモリはNetware Clientを使わなければ8-16MBで充分、使うのであれば32MB程必要です。ハードディスクは2Gも有れば充分でしょう。どうせDOSは1パーティションあたり2GBが上限です。


リムーバルメディア

フロッピードライブは必要です。まっさらなディスクも2−3枚欲しい所です。オークション等で5インチフロッピーベースのゲームを入手したときのために、5インチドライブも欲しい所ですが、さすがに入手困難ですね。

CD-ROMも事実上必須でしょう。また、CD-ROMドライブは、DOSゲーム用途に限っては遅い方が良いのは言うまでもありません。等倍速はさすがにどうかとは思いますが、8倍速あたりからドライブの駆動音が耳につくようになったり、ディスクの認識に時間がかかるようになります。 2倍速-4倍速あたりがお勧めです。

また、大きめのデータを他のPCから持っていくために、他のPCにCD-Rドライブがついていると何かと重宝します。


ビデオ

ビデオですが、何よりも画質とVESAモードでの速度を優先させるべきでしょう。私が確認した限りでは、Chips and Technologies(現intel GPU部門)製のコントローラを使用したものはかなり遅かったです(従って、ノートはDOSゲームには向いてません)。この世界では、S3とTseng Labs(その後ATiに吸収され、初代RADEONはTseng出身のチームが開発したとか)のコントローラを使用したビデオカードの評価が高いようです。

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S3 86C868コントローラ採用のカード

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Tseng Labs ET-6100コントローラ採用のカード

この種のカードの多くはPCIです。従って、オンボードのビデオに難がある場合は、PCIの空きスロットが必要となります。 Pentium〜MMXの市販PCはATi Mach64〜RAGE、S3 Trio64、Trident、Cirrus Logic CL-GD5434あたりですので、必要/好みに応じてビデオカードを追加しましょう。


サウンド

何だかんだ言って、Creative社のSound Blaster(Pro以降Live!以前)がデフォルトです。また、より高音質なBGMを得るため、MIDI音源モジュールがあるとより効果的です。MIDI音源は、RolandのベストセラーLA音源であるMT-32、その廉価版のCM-32L及びその後継機のCM-64を選択しましょう。MT-32相当の音源をISAバスに搭載したLAPC-Iというものもあります。多くのゲームがMT-32音源に対応しています。DOS時代末期に登場したゲームの中には、General MIDIにも対応しているものもあります。

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Sound Blaster AWE64

Sound Blaster(Pro上位互換)はPro, 16, AWE32, AWE64, PCI, Live!などが有ります。また、同じ名前のカードでも、外部コネクタやPnPの有無等が異なるマイナーバージョンが多くあります。Sound Blaster Proは、ステレオFM音源9ch+ADPCM(8ビットの22kHzステレオ又は44kHzモノラル)という音源で、90年代に登場したゲームのほとんどはこの音源に対応しています。これ以前の業界標準はAdLibというFM音源のみのものですが、Sound BlasterシリーズはこのAdLibの上位互換となっています。また、Sound Blater Proには、MIDIコネクタ(ゲームポート兼用)があり、このコネクタに変換ケーブルを介してMIDI音源モジュールを接続することが可能です。ただし、Sound Blaster ProのMIDIは業界標準のMPU-401互換ではなく、ゲーム上で音が鳴らない可能性もあります。

Sound Blaster 16は、Proに16ビットの44kHzステレオ(つまり、CDと同レベル)のADPCMを追加したものです。DOS時代末期のゲームの中には、この新しいADPCM音源を使用するゲームがあります。また、MIDIがMPU−401互換となり、MT-32やGM音源モジュールを接続して多くのゲームのBGMを外部音源で再生可能となることが期待されます。また、Sound Blaster 16のドーターボードとして、GM相当のウェーブテーブル音源を追加するWave Blasterというオプションもあります。

AWEは16にGeneral MIDI相当のウェーブテーブル音源を追加したものですが、だからと言ってGM音源対応のゲームで音を鳴らせるわけでもありません。

Sound Blaster PCIは、Creative社が買収したEnsoniq社のチップを採用したPCIカードです。Sound Blaster Pro、MT-32及びGeneral MIDI音源互換、ではあるのですが、ドライバがEMM386を必要とするため、EMM386と共存できないゲーム(Ultima VIIやVIII)では音がならない可能性があります。Sound Blaster Live!は、より高い互換性を有しており、また、Sound Blaster 16互換となっています。

お勧めはAWE64、AWE32、16でしょうか。ProはMIDIの互換性、PCI版のカードは一部ゲームで音がならない可能性がありますし。ISAバスがない、或いはうまく動くサウンドブラスターが入手できない、マザーボードからの電磁波できれいな音が出ない(特にLPXやNLXマザーボードのようにマザーボードとサウンドカードが平行になるような場合)、という状況も考えられます。この時は、マザーボード内蔵のサウンド機能、またはPCIベースのサウンドカードを使わざるを得ません。試してみた限りでは、Cirrus Logic社のCS42xxチップを使ったものは比較的DOSでもちゃんと音が鳴ってくれることが多いような気がします。欲を言えば、これにMT-32互換音源とGM音源を追加することでしょう。

参考までに、手持ちの各音源での再生結果をおいておきます。これは、Lucasarts Archive vol.1に付属のSUPER SAMPLER(体験版詰め合わせ)のサウンドテストで鳴らしたものです。Sound Blaster系列とAdlibの音は、Sound Blaster AWE64で、MT-32は実機(DOSBOX経由)で、GM音源はRoland SC-55を使用しています。


ネットワーク

ネットワークは、基本的にMS LAN ManagerかNovell Netware Clientを使用します。上記クライアントかパケットドライバを介してTCP/IPを実装することも可能ですが、日本語対応のDOS用ブラウザがないので実用的とは言えません。

ネットワークアダプタには、上記クライアントに対応したドライバ(LAN Manager: NDIS、Netware: ODIと呼ばれるドライバです)があるものが望ましいと言えます。 intel、3COM、DEC(現intel)が鉄板です。と、いうかPentium〜MMXクラスの中古PCの大半を占めるリース流れ品は、大抵このどれかがオンボードで載っています。なければ、NDIS、ODIドライバが添付している(又はダウンロード可能な)カードを入手しましょう。あるいは、かつて業界標準だったNovell NE2000互換カード(ISA)でしょうか。PCIベースなら、RealTekのRT-8139使用カード(一時期、IOデータ、メルコ、コレガのfast ethernetカードはほとんどこのチップを使っていた)なども、DOS対応ドライバがあるので良いかもしれません。


拡張バス

以上の観点から、オンボードに載っている各種コントローラとゲームに必要なスペックとを吟味しつつ、充分な数の空きスロットを確保しましょう。ビデオ、ネットワークオンボードならISA x1、さらにオンボードデバイスの故障の可能性を考慮してPCI x1、といったところでしょうか。1996〜1998年頃に出た大抵のマシンならこのレベルはクリアしているのではないでしょうか。


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Note

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